お盆前、Apple Vision Proを着けると、左目の視野の下方に黄色い横線が見えた。図示すると次のようになる。
もちろん現実に黄色い線があるのではなく、Apple Vision Proを介した視野にだけ黄色い線がある。嫌な汗が出てくるのを感じつつ、問題を切り分けていく。
- 右目を閉じたり左目を閉じたりして、左目の視野にだけ表示されることを再確認
- 再起動を試してみるが、改善しない
- 「環境」を使うと表示されない
- 空間写真を撮ると、写真の下方にも写り込んだ
この時点で、ビデオパススルー用の左のカメラモジュールに発生した不具合である蓋然性が高い。ディスプレイの問題なら「環境」でも表示されるだろう。ということでGenius Barの予約を取った。
Genius Bar
土曜日にGenius Barへ行った。担当してくださるジーニアスの他に、「後学のため」ということで別なジーニアスも見学することになった。
症状を説明すると、すぐにビデオパススルーカメラの不具合だろうということになる。撮っておいた環境写真が役立った。その後、謎の操作によって診断プログラムモードが起動され、ワイヤレスで診断プログラムが実行される。
Apple Vision Proは店内では修理できないので、修理センターに送る旨を伝えられ、手続きをする。本体とバッテリーが目の前で専用の梱包資材に収納される。この時点で、基本的に無償であることも説明され、一安心。お盆を挟むこともあって、修理には1〜2週間かかるということだった。
ジーニアスの対応は終始丁寧で、ありがたかった。
電話での確認
3日後の火曜日、Appleのカスタマーサポートから電話が来る。エンジニアから質問があるということで、答えていく。
Apple Vision Proの修理についての経験が十分蓄積していないのかもしれないし、あるいは診断プログラムにカメラモジュールからの入力を検査する仕組みがないのかもしれない。人間の視覚に関する部分だから、人間側の方に問題がある場合もあるだろう。
改めて症状を説明し、撮っておいた写真を専用の仕組みでアップロードすると、状況をわかってもらえたようだった。
もちろんこの電話も丁寧だった。
修理
お盆なのか少し間が空いて、翌月曜日の午前に「製品の修理を開始いたします。」というメールが届く。そして夕方に「発送のご案内」メール。
ヤマト運輸の追跡サービスによると「ADSC支店」から「羽田クロノゲートベース」を経由している。これはApple Storeオンラインと同じ経路だが、修理センターも物流拠点と同じあたりにあるのだろう。
翌日、修理されたApple Vision Proが届く。Genius Barで見たのと同じ専用の梱包資材に入っていた。同封の書面によるとシリアル番号が変わっており、本体ごと交換になっていた。動作を確認したところ、当然ながら何の問題もなかった。
金曜日に再びAppleのカスタマーサポートから電話があり、様子を聞かれたので、問題ない旨を伝えた。
所感
まとめると、次のような経過を辿って修理が完了した。修理に出してから戻ってくるまで10日ほどだ。お盆を挟まなければもう少し早いかもしれない。この間Apple Vision Proを使用できなかったが、必需品というわけでもないし、仕方ない。ちょうど忙しいタイミングだったし、まあちょうどいい。
経過 | |
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0日目 | 不具合を発見 |
1日目 | Genius Barで修理に出す |
4日目 | カスタマーサポートから電話 |
10日目 | 修理開始・発送 |
11日目 | 修理された製品の受け取り |
14日目 | カスタマーサポートから電話 |
また製品保証の範囲内ということで無償だった。Appleのハードウェア保証は原則的に国を跨いで有効なので、アメリカで買ったような場合でも安心だ。
プロセス全体について、Appleの皆さんが極めて丁寧であったことは何度書いても強調し足りないほどである。純粋に親切だったのもあるだろうし、それに加えてApple Vision Proのハードウェア的な問題への対応が現状まだ稀な症例だったということも想像できる。