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Work From Living Roomで使うマイク

プロローグ

西暦2021年、COVID-19のパンデミックによって人類が活動の抑制を余儀なくされてからおよそ1年が経っていた。一部のデスクワーカーは在宅勤務、「Work From Home(WFH)」にシフトすることで、他者との物理的な接触を避けながら職務を継続した。ビデオ会議が対面でのミーティングにとって代わり、人々はこぞってカメラやマイク、照明を買い漁った。


……というプロローグでやっているわけだが、人によって住環境も様々で、Work From HomeというかWork From BedroomとかWork From Living roomのような状況の人も多いと思う。かくいう私も部屋数の少ない賃貸住宅で暮らしており、まさにWFLの様相を呈している。

リビングの端で窓を背に陣取っていて、それなりに快適にやっているのだけど、ビデオ会議のときに生活音が入ってしまうのが気になっていた。特に子供がうるさくする音は、会議に同席する同僚たちは寛容にも気にしないでいてくれるのだけど、それでも居心地はよくない。そのうち引っ越したら仕事部屋を用意しよう、くらいにのんびり構えていたが、最近になって急に、指向性のあるマイクが気になり始めた。

ということでマイクについて調べてみました。

指向性と構造

指向性については、audio-technicaマイクロホンの指向特性のページがわかりやすい。なるほど、シンプルだけど存外に物理的な仕組みである。

ついでにaudio-technicaマイクロホンの内部構造のページを見ると、「ダイナミック型」や「コンデンサ型」のような駆動方式があり、空気の振動をどうやって電気信号に変換するかというものだが、方式によって感度などに差が出るということだった。

これまで、なんとなくコンデンサ型の方が音質がいいような印象を持っていたが、実際には用途に合わせるとよいようである。生活音を入れたくないならダイナミック型の方が合っているのかも。

何を買ったらいいのか

なんとなく理屈はわかってきたが、パソコンに容易に接続可能なダイナミック型のマイクはあまり多くない。Blue Yetiのような製品はコンデンサ型だった。オーディオインターフェースから揃えるとなると面倒。

というところでいろいろ教えてもらって、ゲーミング用のヘッドセットもいいと聞いたので心が揺れた。しかし昨年末に AirPods Maxを買ってしまっていて、ついでにPlayStation 5用のPULSE 3D ワイヤレスヘッドセットも持っているので、頭に着けるものがこれ以上増えることについて、妻がいい顔をしなかった。

結局どうしたかというとShure MV7を買いました。これは2020年11月に発売されたもので、なんとなくよさそうな雰囲気があるが、あまりわかっていない。とにかくUSB接続できて、ダイナミック型で、カーディオイド型の単一指向性がある。あと見た目がいい。

試しに買ってみるにはちょっとpriceyではあるが、しかしマイクの良し悪しについて、まして生活音をどれくらい拾わないかなんて、事前にわかるはずもない。だから決め手は id:nagayama さんが使っているという事実である。nagayamaさんが使っているなら間違いなくないですか。

ということでnagayamaさんが使っていることをもって妻も納得し、購入に至った。口から近い位置に設置できた方がいいので、適当な安いアームも買った。ディスプレイのUSBポートに接続したので、Macをディスプレイに繋げばマイクも使える状態になった。

2週間ほど使ってみたところ、同僚からの評判はいい。いい声になったとさえ言われる。録音して試してみた感じでは、同じ部屋で子供が騒がしくしていてもかなり小さな音量になっている。Discordのようにノイズキャンセリング処理のしっかりしたツールならほとんど伝わることがない。これが他の製品よりよい結果なのかどうかはわからない、かなり満足した。

ディスプレイを介して接続されたShure MV7


エピローグ

パンデミックを機に、新しい暮らし方、働き方を模索する動きも多い。私の勤務先でも「フレキシブルワークスタイル制度」というのが導入されている*1。マイクを買ったことで、ビデオ会議への心理的な負担が小さくなったのはもちろん、いいマイクを持っているという不思議な充足感が得られた。

気をよくして、3歳の息子とPodcastごっこをしてみたが、ハマっているゲームについて話すばかり。10年後くらいに聞き返したい。