cockscomblog?

cockscomb on hatena blog

「iOS 11 Programming」を書きました

iOS 11 Programming

iOS 11 Programming

  • 著者:堤 修一,吉田 悠一,池田 翔,坂田 晃一,加藤 尋樹,川邉 雄介,岸川克己,所 友太,永野 哲久,加藤 寛人,
  • 発行日:2017年11月16日
  • 対応フォーマット:製本版,PDF
  • PEAKSで購入する

今日から普通にお買い求めいただけます。

担当した章について宣伝します

僕は「第6章 Drag and Drop」と「第7章 FilesとDocument Based Application」のところを書きました。ここで担当した章について宣伝します。

iOS 11が一般にリリースされてからもう少し経っていますが、実際にiPadを使っていると、Drag and Dropがとても便利な操作であることがわかります。例えばタスク管理に使っているThingsというアプリでは、メールアプリなどからのドロップを受け付けてくれます。メールがきて後で何か対応しないといけない時に、とりあえずTo-Doを作成するのがとても簡単です。ドラッグやドロップはとても直感的で、効率的な操作ですが、アプリが対応しているかどうか一目で見分けることができません。逆説的に、どのアプリでも必ず対応しているようになることで、その価値が高まると言えます。

Document Based Applicationというのは、KeynoteやPages、Numbersのような、ドキュメントを中心としたアプリです。iOS 11ではこのようなアプリを作るのが本当に簡単になりました。ドキュメントブラウザのコンポーネントが提供されていて、iCloud DriveやDropboxとの連携もほとんど意識する必要がなく、ただドキュメントの表示や編集に注力すればよいようになっています。これまでiOSのはアプリを中心とした世界観を構築していましたが、Document Based Applicationではそれと直交する、ドキュメントを中心としたワークフローを提供できます。対応しているアプリはまだ多くありませんが、そこにニーズが存在していることは間違いないでしょう。

iOS 11 Programmingでは、Drag and Dropへの対応やDocument Based Applicationを作成する際に必要となるであろう知識を、大半のAPIについての解説しつつ、網羅的に詰め込みました。ちょっとググっただけでは得られないような内容になっているはずです。個人的な開発からお仕事まで、ぜひご活用ください。

全体的に宣伝します

「Swift 4の新機能とアップデート」や「Xcode 9 の新機能」のようなDeveloper Toolの章や、僕の担当部分や「レイアウト関連の新機能及び変更点」のようなUIKitに関連した章は、ほとんどのiOSアプリエンジニアにとって必ず役に立つでしょう。少し目を通してから開発を始めることで、より効率的に、特にiPhone Xへの対応作業などでは、大きな効果を得られると思います。

「ARKit」や「Core ML」、そして「Metal」の章は、いまiOS以外の分野でも特に重要な技術領域について、iOSにおける実装を一度に学べるまたとない機会と言えるでしょう。ARはついにひろく実用的な技術になりつつあり、機械学習はもはやなくてはならないものですが、さらに現在ではモバイル端末上での活用が進んでいます。そしてMetalのような高パフォーマンスなGPUAPIは様々なプラットフォームで台頭しています。

「Core NFC」と「PDF Kit」はiOS 11で新たに加わったフレームワークですが、どちらも新たな可能性をもたらします。「SiriKit」や「HomeKit入門とiOS 11のアップデート」、「Audio関連アップデート」は、これまでにもあったフレームワークではありますが、iOS 11で着実に進化しつつあります。特にSiriKitは、来年発売されるというHomePodとの連携が期待されるところです。HomePodはGoogle Assistantなどと違って、クラウド上のアプリではなく、iOS端末上のアプリと連携するのがユニークなところですね。

ということで、全体的にiOSアプリの開発をしていたら買うしかないかな、というような内容になっています。どうぞお買い求めください!

iOS 11 Programming