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ソフトウェアエンジニアとしての最初の10年

働き始めてから丸10年経った。

2012年、僕は北海道に住む大学院生で、趣味としてプログラミングを楽しんでいた。Appleのファンだから、macOSiOSのアプリケーションを開発して、ちょっとでもAppleに近づいたような気持ちになっていた。その夏1ヶ月のインターンシップに参加した。インターンシップで、それまで趣味だったプログラミングが突然違った価値を持ち始めて、これを仕事にしないといけないと思うようになった。それで、両親や先生に謝って、大学院を退学して、インターン先の会社に正社員として入社した。それが2012年11月のことで、それから10年間、株式会社はてなで働いている。

この業界では、10年同じ会社で働いているというと、ちょっと珍しい部類なのかなと思う。とはいえ社内ではそれほど珍しくもなくて、あまり気にならない。いろいろなプロダクトを夢中になって開発していたら、いつの間にか10年経っていた。

この10年の間に結婚もしたし、ふたりの子供にも恵まれて、生活環境の方は大きく変化した。上の子は5歳だから、半分以上の期間は親として暮らしていると思うと、少し不思議な感じもする。

ソフトウェアエンジニアとしては、もともとスマートフォンアプリのエンジニアという感じだったが、仕事をし始めてからはサーバーサイドの開発もそれなりにやった。やってはいたが、振り返ってみれば、最初の5年くらいは何も分かっていなかった。何も分かっていないなりに必死にやっていたら、2017年に転機が訪れた。

2017年、サーバーサイドから何から一通りを新規開発する案件のテックリードを任された。プロダクトの性質を考えるとSingle-Page Applicationがよさそうだったので、いろいろ調べながらReactを導入していった。コンテナで運用しようということになって、一夜漬けでDockerを学んで、翌日開発途中のアプリケーションをコンテナ化した。こういったことの過程で、突然、いままでやっていたことの点と点がつながって、いろいろなことがはっきりと理解できるようになった。

それから、ソフトウェアのアーキテクチャについて急にくっきりしてきて、おもしろおかしくソフトウェア開発できている。たぶんそんなに珍しい話ではなくて、経験を分解して再構築できた、というだけのことなんだとは思う。

2018年頃にはGraphQLの導入をして、それからしばらくはGraphQLにハマっていた。いろいろなところで導入して、ブログに書いたりしていたら、WEB+DB PRESSの特集に繋がった。

我が身を省みると、あまり勉強熱心な方ではなく、スーパーハッカーへの夢は遠い。それでも10年かけて、興味のあることだけでも地道に取り組んでいたら、いくらかは形になった。尊敬する上司や同僚たちに導かれつつではあるが、元はただのAppleファンボーイだったことを思えば、悪くないと思う。

ということで、次の10年が始まりました。引き続きよろしくお願いします。